現代的なファクタリングは1900年頃にアメリカやイギリスを中心に発祥しました。

現代的ファクタリング

現代的なファクタリングは1900年前後にアメリカイギリスで発祥したと言われています。
当時は売掛先の同意を得る3社間が主流で、契約や通知を交わして売掛先からファクタリング会社に対して直接支払いをするように古典的ファクタリングから変化しました。

 

ノンリコースによる支払い保証をする目的もありましたが、当時は貸付金利が高額で審査基準が厳しかった影響もあって、資金調達目的で利用する需要が拡大していきます。
ファクタリングができた当初は、銀行融資の審査が事業規模の大きい会社に限られていたため、個人経営の事業者は他に資金調達手段のない状況を理由にファクタリングを活用した事例もあります。
その後は銀行融資の利息が低下して消費者金融や信販会社などの貸金業者の増加、手形取引が普及するなど資金調達法が多様化したのに合わせて、ファクタリングもノンリコースの2社間ファクタリングなどへ形を広げていきます。

 

 

請求書を担保にしたファクタリングの成功事例が増加

 

ファクタリングの金利計算

古典的ファクタリングはファクターが商品を管理したり、買い手を紹介したりするなど、単純な売掛債権の売買とは違う特性をもっていました。

 

1910年代にアメリカで請求書を担保にして仕入れ費用を調達した繊維会社が登場し、資金繰りの改善によって大きな成長を遂げた成功事例ができます。そこからファクタリングはアメリカを中心に一気に広まっていき、1940年代には銀行が請求書買取のファクタリングを扱うようになります。

 

その後は大手金融機関が中小企業向けのファクタリングを扱うようになって、2000年代からはインターネット集客や情報収集をするためのプラットフォームが発展して、現在の中小規模のベンチャー企業が手軽に新規参入できる時代に変化しました。

 

競争が激化したことで、金利や銀行規制だけを参考に手数料設定をしていたファクタリング会社は、他社よりも1%でも高く買取しようとする競争意識が生まれます。
競争激化によって、2000年代以降は好条件が揃えば1%程度の格安手数料で利用することも可能になりました。
手数料のほかにも最短即日入金が可能になるなどスピード対応を売りにしたり、来店不要でファクタリングできる業者が登場したりするなど、スピードと利便性でもサービス競争が行われています。

 

 

ファクタリングブームで悪徳業者の参入も増えた

 

悪徳業者との契約

ファクタリング業者が増えて競争が激化するなど良いこともありますが、新規参入するハードルが下がったことで悪徳業者の参入も増加しています。

従来はその時代の相場に見合った条件提示をする業者が中心でしたが、顧客の足元を見て相場よりも高い法外な手数料を徴収したり、問い合わせすると強引な勧誘をしたりする業者が増加します。

 

日本では2000年代後半より貸金業法の取締が強化され、街中に店舗を構えて運営していた闇金業者が絶滅します。
看板を出した運営をできなくなった闇金の一部はファクタリング会社を立ち上げ、資金難の相談に対して法外な金利で貸付を行うトラブルも増えています。
2019年現在は、悪徳業者の摘発事例ができたことや、ネットの口コミ・レビュー情報、SNSの拡散能力が拡大したため、悪徳業者は減少傾向を続けています。