日本のファクタリングはバブルの崩壊により急速な広まりを見せました。

日本におけるファクタリングの歴史

海外におけるファクタリングの起源は、5,000年前の古代メソポタミア文明や700年前の1300年代イギリス120年前のアメリカもしくはイギリスなど複数の説があります。
日本におけるファクタリングの歴史は、欧米に比べて浅く1970年代が始まりといわれています。

 

実際には個人商人がファクタリングに近い形で売掛金の買取やノンリコースによる買い手の保証をしていた可能性があります。
しかし、日本は第二次世界大戦までは社会主義が強かったことや、島国なので個人単位で貿易業をするのが困難だった環境から、海外よりも古典的なファクタリングをするのが困難な環境です。

 

1970年代に始まった国内最初のファクタリングは主に銀行が扱うものでした。
海外の文化を取り入れた形でしたが、当時は銀行が発行して買取(割引)まで行える手形が普及していたこともあり、ファクタリングはそこまで流行しませんでした。

 

日本は高度成長を迎えていて1980年にかけてはバブルが起こります。
企業が倒産するケースが少なく、ノンリコースによって取引先の倒産リスクを軽減させる需要が低かったこともファクタリングが流行しなかった要因です。

 

転機になったバブル崩壊

 

バブルの崩壊

1973年から続いていた安定成長。そして1980年代にかけて高度成長したバブルは1991年に崩壊します。
バブル崩壊によって、売掛先が倒産して連鎖倒産する事例も相次ぎました。
当時主流になっている手形取引は売掛金の早期現金化できますが、売掛先が倒産すると割引した業者が銀行から弁済請求を受けるルールになっていました。

 

企業に対する信頼性の低下と、90年代以降はインターネットやコンピューター技術が発展してアナログの方法だった手形を狙った犯罪も増加していきます。
手形はその後、電子手形(でんさい)に進化を遂げますが、バブル時の手形全盛期に比べて普及率は低く、でんさいを嫌がる企業も見られています。

 

手形の需要低下とノンリコース(償還請求権なし)によるリスク回避を求める需要が増加したため、90年代からファクタリングが成長をはじめ、2000年代に入ってからは、ネット集客する民間のファクタリング会社が増加します。

 

ここまでの日本におけるファクタリングの歴史は、手形取引が重要な存在になっています。
手形取引の概要やメリット・デメリットを知りたい方はコチラ

 

柔軟審査対応の2社間ファクタリングの需要は日本ならではのもの

 

3者間ファクタリング

国内で注目されているファクタリングの利用事例は、取引先に知られずに利用できて売掛先の信用が高ければ赤字決算や税金滞納でも利用できる柔軟性のあるサービスです。
海外でも一部で柔軟審査を売りにしたファクタリングがあるものの、日本に比べて3社間ファクタリングの需要が高い特徴があります。

 

欧米は日本よりも長い歴史を持ち、ファクタリングが企業の経営者に浸透しているため、3社間ファクタリングの相談で信用を落とすリスクが少ないです。
日本はファクタリングの知名度こそ高まったものの、ネガティブなイメージを持っている経営者が多く、3社間ファクタリングの相談をしただけで信用を失い、取引量を減らされる事例があります。
海外は銀行系ファクタリングが成長しているのに対して、国内では中小企業向けの民間ファクタリングが成長を遂げています。