将来の動向
世界的に見るとファクタリングの市場規模は拡大していますが、日本国内においては2011年をピークに市場規模が減少しています。
国内におけるファクタリング市場の縮小は、電子手形の普及やフィンテック系サービスの躍進で、資金調達や信用調査をする方法が多様化したことが要因です。
銀行系や大企業系のファクタリング利用率が低迷する一方で、中小企業の資金調達に特化した民間業者が増えています。
2015年以降は、ファクタリングを専門にした民間企業の新規参入が増加しています。
現在は業者の乱立状態にあり、当サイト独自の見解ですが近い将来は中小規模のファクタリング業者が振るい落としにかかっていくことが予想されます。
企業規模が小さいファクタリング業者の一部は、撤退する事例が増えていくかもしれません。
ファクタリングを利用する際は長期的に取引を持つことを視野に入れて、信頼できる業者をしっかり選定することが重要です。
ファクタリングはさらに進化する
すでにスピード見積や来店不要契約に対応したファクタリング業者が登場していますが、今後はさらに利便性の高いサービスに進化をしていく可能性があります。
アメリカではBlueVineというフィンテック系ベンチャー企業が、オンライン契約に対応したファクタリングをスタートして急成長を遂げています。
国内でも、オンライン完結で利用できる業者や、貸金業の登録を受けていなくてもフィンテック技術で厳正な審査をする業者が増えていくでしょう。
サービス競争や審査の精度が高まれば必然的に手数料も現在の水準より安くなる可能性があります。
現時点で大手と称される人気業者が安定した成長をするとは限らず、時代の変化に応じてサービスを進化させられる業者が成長していくでしょう。
業界全体で利便性や安全性が向上すれば国内のファクタリング市場は再び成長に転じる可能性があります。
2019年以降に普及する可能性が寄せられているのは、仮想通貨によって普及したブロックチェーンによる暗号化された請求書とファクタリングのやりとりです。
伸びしろが大きいのは海外を相手にしたビジネスで、国際ファクタリングの需要や安全性が向上すればファクタリングの形はさらに多様化していくでしょう。
海外に追いつくためにはネガティブなイメージの払拭が必要
国内のファクタリングは1990年以降に大きな成長を遂げた一方で、急成長した反動で悪徳業者によるネガティブなニュースも散見されます。
日本と海外のファクタリングを比較すると、元請企業側のイメージの違いから3社間ファクタリングの需要に差があります。
海外のファクタリングに追いつくためには、ファクタリングを利用する企業へのネガティブなイメージを払拭して手数料の安い3社間ファクタリングの普及が求められます。
ただし、短期的に悪いイメージを払拭するには課題が多く、近い将来で見て成長性を期待できるのは取引先に知られずに利用できる2社間ファクタリングです。